新しい伝染病のせいで、すっかりサウナに行けなくなった。

外出や出社・登校、飲み会など、色々なことが制限されたが、もともとボッチ自営業の私は痛くもかゆくもなかった。
その中でただ一つ、サウナに行きたい、という欲望だけは消えなかった。

よく行くスポーツクラブのサウナは、お姉さまたちの社交場なので、しゃべるなとは言えない。
感染をものすごく怖がっているのに、マッパ・ノーマスクで話しかけてくる。
怖いのか。怖くないのか。
無視するのもいやだなあ、と思いながら答えるのに疲れてしまい、休会。

近所のサウナのある銭湯。
こちらもお姉さまたちのマシンガントーク止まらず、なかなか行けない感じに。
ここのサウナ、テレビがなくて素敵なのに無念です。

交流分析の考え方によれば、人間はストローク(会話)を、ごくごく水を飲むように摂取しないと生きられない生き物なのだそうだ。
もしかしたら一人暮らしのお姉さまたちの、本日唯一かもしれないストロークをぶった切る権利は私にはない。

どうすればいいのか。

マイサウナがあればいいのだ。

部屋に置く電気式のサウナは、家が狭いので不可能なうえに、一人でコツコツ東電の電気不買運動を続けている身としては、なんだか面白くない。
いや、そんなことよりなにより、私はロウリュがしたいのだ。

そこで、テントサウナ。テントを張る。ストーブを炊く。シンプルだ。
幸い薪ストーブ用の薪が山ほどある。
旅行もさっぱり行けていないので、テントサウナを買うぐらいの小金があった。
本稿はテントサウナ購入からセルフロウリュまでの顛末記である。